産業環境における短絡では、保護装置が反応する間もなく大量の力が放出される可能性があります。ダメージはたったのミリ秒単位で発生してしまい、10,000ポンド以上の電磁力により、そのダメージはとても大きいものとなりえます。
産業工学や建設プロジェクトの複雑さが増すにつれ、設計エンジニアやコントラクターにとって、関係する人や設備の安全保護を損なうことなく、プロジェクトの仕様要件や予算の制約に対応する電気システムの設計方法を知ることは不可欠です。お客様に真のソリューションを提供したいと考えているEPC企業にとって、ケーブルクリートは電気システム設計に含める必要のある重要な要素です。
短絡はプロジェクトのどの段階でも発生する可能性があり、ダウンタイムや作業のやり直しを引き起こすばかりか、付近の作業者に致命的な傷害を与える可能性もあります。エンジニアは、選択したケーブルクリートがピーク障害電流によって生じるストレスに耐えられることを確信できなければなりません。そのため、当社のエンジニアはケーブルクリートの総合的な安全基準を提唱しており、こうした高い基準を満たすだけでなく超えていくようなケーブルクリートの設計を行っています。
NEC規格とIEC規格の両方で、ケーブルが短絡から保護されることが要件になっています。しかし、北米ではケーブルトレイは最近になってやっと普及してきたため、現在のNEC規格では保護具を取り付けることが要件になっているものの、ケーブルクリートに関する推奨事項は言及されていません。
ケーブルトレイの使用はヨーロッパでより一般的で、IEC規格ではケーブルクリートを短絡に対して試験するための堅牢な方法論を記載しています。IEC 61914:2015は、電気機械力に対する抵抗の基準を規定していますが、ケーブルクリートが過酷な建設現場の条件に耐えられるよう、温度定格、腐食、耐紫外線性などの要件も概説しています。
私たちは、業界標準におけるリーダーシップに誇りを持っています。業界標準への積極的な取り組みからも、Panduitはコンプライアンスと安全性の最先端にあり続けるソリューションをお客様に約束しています。Panduitの技術エンジニア、アンディ・ブースは最近、電気設備用のケーブルクリートに関するIEC 61914規格を監督する米国の専門家として、IEC委員会のメンバーになりました。
Panduitはこのようにより強力な規格の採用を常に提唱しており、こうした規格を満たすアプリケーションのみを推奨しています。ブースのようなエンジニアや、Panduitのシニアエンジニアリングマネージャーであるロドニー・ルーローは、継続的に整合化を行うことで最終的にNECやその他の地域の規格がIECに近づいていくものと考えています。つまり、私たちのケーブルクリートは始めからこうした規格を満たすよう設計を行っています。
導体とピーク短絡電流の間の中心間距離が分かれば、地絡の潜在的な強さを判断することは簡単です。しかし、この短絡力の式は出発点に過ぎません。地絡の間、力は瞬時に激しく振動し、1秒あたり最大2,000インチの速度でコンポーネントを移動します。これは、機械的引張試験の比較的遅く制御された力では再現できない状態です。そのことを念頭に置いて、エンジニアは最新のANSYSシミュレーションソフトウェアを使用して、短絡の間に発生する動的外力のマルチ物理モデルを開発するという異なるアプローチを取りました。導体の剛性、耐力強度、質量を調整できることに加えて、この受賞歴のあるシミュレーションには、各コンポーネントの高歪み速度材料モデルと、材料の変形と致命的な故障を考慮する要素の浸食基準が含まれています。